安居地区のホタル
安居地区は、福井市内から最も近いホタル鑑賞地として知られるようになり、時期(5月下旬から6月中旬)になると市内外から多くの方が訪れます。
安居地区を東西約6.4㎞に渡り流れる未更毛川にはゲンジボタルが生息し、時期にはたくさん飛び交います。又、近辺の田んぼにはヘイケボタルも見受けられます。これは、昔からどこにでもある田舎風景でした。
平成13年、公民館では少年教育事業の中で他地区との交流事業としてホタル観察会を始めました。
平成16年、福井豪雨発生により激流に流されてホタルが減少。
平成20年には地区の圃場整備事業が開始、用水路や農道の区画整理が行われると共に、ホタルを含めた生きものが減少しました。
平成21年、公民館の環境講座としてホタルをシンボルとした活動を開始しました。
以降、現在に至るまで状況に即した活動を継続しています。
ホタルの生態について
- 種類
- 世界には約2200種類。日本には約50種類います。その中で、成虫が光るホタルは約10種類、安居地区では、ゲンジボタルとヘイケボタルが確認されています。
- 時期
- ゲンジボタルは5月下旬~6月中旬にかけて発生のピーク。ヘイケボタルは、それより少し遅い時期に出現し、6月~8月までと少し長い間見ることができます。
- 飛ぶ条件
- 生暖かく感じ(20度以上)湿度が高い日、曇っていて風のない夜に多く飛びます。雨が降っている日、風の強い日、冷え込む日はあまり飛びませんが、全く飛ばない訳ではありません。
- 飛ぶ時間
- 日没から2時間後が活動時間のピーク。19:30頃から飛び始め、20:00~21:00が最も多く飛びます。
- 光り方
- [ゲンジボタル]
オスは、強い光を2秒おきにゆっくりと放ちます。東日本では4秒間隔と言われています。メスは、草などで弱い光で点滅させないで光ります。 - [ヘイケボタル]
1秒あまりの間隔で瞬くように光ります。 - 光る理由
- 最大の理由は、オスがメスにプロポーズをするため。ホタルは光でコミュニケーションをとります。その他、外敵を驚かすため、仲間に居場所を知らせ為に光ります。

※それぞれの生育時期については、福井県ホタルの会の許可を得て、安居地区の状況に合わせて記載してあります
令和7年度 活動
ゲンジボタルの初見は5月7日。羽坂地籍において3頭確認されました。
しかし、その後しばらく姿を消し出現し始めたのが15日頃。多くの飛翔が見られたのは5月下旬と、昨年より遅く感じられました。が、その後徐々に増え始め、ピークは6月6日から1週間ぐらいでした。
羽坂~本堂にかけてピークが収まった頃、桜ヶ丘東が増え始めました。ここ近年では最も多かったと思います。土手の木立にホタルが舞い上がり、木々の間で光を放つ様子は、まるでクリスマスツリーのようでした。
そして今年は、めっきり少なくなっていた桜ヶ丘西地籍にも多く飛び、隠れ谷橋からは集団で同時明滅する光景が見られました。安居の里を守る会が出現数を調査していましたが、ピーク時は、羽坂団地から桜ヶ丘まで1000頭をカウントしました。
ゲンジボタルの多く飛ぶ時期をとらえ、5月30日~6月8日を「ホタルウィーク」と位置づけ様々なイベントを行いました。
★5月30日~6月1日 ≪ホタルウォーク≫
申込された方をご案内して、ホタルの話をしながら未更毛川を歩き観賞する。
★6月6日 ≪ホタルコンサート≫
サックスアンサンブル“ドリームハード”による演奏を聞き、ホタル観賞をする。
★6月7日 ≪ホタル観賞会≫
安居中学校と合同で、中学生によるホタルの一生の劇と安居の里を守る会の
活動発表の後、ホタル観賞をする。
★6月8日 ≪おもてなしツーリズム≫
“安居の里おもてなし膳”で食事 → 郷土資料室“あごっと”の見学 → ホタルの話
→ ホタル観賞
特に後半は、連日観賞に適した天候に恵まれ、近年では最も多かったと思われるほどたくさんのゲンジボタルの飛翔が見られました。
ホタルウィークの開催にあたっては、観賞地堤防の草刈り、ソーラーライト設置、駐車場ご案内、観賞地付近の交通整理など多くの方々に協力して頂きました。
皆さま本当に有難うございました!
